支援の現場では、「早くできるようにしてあげたい」「困らないように先回りしたい」と思う場面が多くあります。
その思い自体は、とても自然で、支援員として大切な気持ちです。
しかし一方で、その“良かれと思った関わり”が、知らず知らずのうちに利用者さんの力や選択の機会を奪ってしまっていることもあります。
支援において大切なのは、「何もしないこと」ではなく、「あえて待つこと」です。
利用者さんが考えている途中で答えを提示してしまったり、行動を起こす前に手を差し伸べてしまうと、その人が本来持っている力を発揮する機会が失われてしまいます。
失敗しそうに見えても、時間がかかっても、本人なりに考え、選び、行動する過程には大きな意味があります。
「待つ」姿勢とは、放置することでも突き放すことでもありません。
必要な場面ではしっかりと見守り、危険があれば介入し、安心できる環境を整えたうえで“主役は本人である”という立ち位置を守ることです。
支援員が先に動くことでスムーズに進むこともありますが、利用者さん自身が「できた」「選べた」と感じられる経験は、何よりの自信につながります。
そしてその積み重ねが日常生活や社会参加への力になっていきます。
支援がうまくいかないと感じる時ほど、「もっと何かしなければ」と考えがちですが、そんな時こそ一度立ち止まり、
「今、本当に必要なのは手を出すことなのか、それとも待つことなのか」
を振り返ってみることが大切です。
支援の目的は支援員が上手くやることではなく、利用者さんが自分の力で一歩を踏み出せるようになることです。
そのために必要な関わりの一つが、「待つ」姿勢なのではないでしょうか。
支援の中で迷った時、焦りを感じた時こそ、この「待つ」という視点を思い出してみて下さい。
とはいえ、こちら都合で待てないこともあります。なるべく早めに動いて待てる余裕を持つことが理想ですね。