障がい者支援の現場では、「安全に」「スムーズに」日常を進めることが重視される場面が多くあります。その一方で、利用者自身が「選ぶ経験」をどれだけ持てているかという視点は、とても重要です。
人は日々の生活の中で、大小さまざまな選択をしながら生きています。
「どの服を着るか」「何を食べるか」「どこへ行くか」。こうした選択の積み重ねが、自分らしい生活や主体性を育てていきます。
しかし支援の現場では、時間や安全面の配慮から、支援者が先回りして決めてしまうことも少なくありません。もちろん必要な配慮ではありますが、利用者が自分で選ぶ機会が減ってしまうと、「自分で決める力」を育てる機会も減ってしまいます。
小さな選択でも構いません。
「どちらのお茶にしますか?」
「今日は散歩と室内活動、どちらにしますか?」
こうした選択の機会を増やすことは、利用者の主体性を尊重する支援につながります。そして、選んだ結果が成功でも失敗でも、その経験自体が次の成長につながっていきます。
支援とは、すべてを整えることではなく、利用者が自分で選びながら生活していける環境を整えることでもあります。
日々の関わりの中で、「選ぶ機会」をどれだけ作れているか。改めて考えてみたい視点の一つです。